開発の方向を尋ねるページ
開発アンケートは、ほしい機能に投票してもらい、その後の開発の指針にするという目的で設けられていました。完成したサービスを評価する調査というより、これから何を加えるかを考えるための入口です。希望する項目がなければ追加する、という考え方も案内されていました。
表示された全投票数は25、有効回答数も25でした。集計対象は「2000年12月25日 00時00分」から「2001年3月19日 10時33分」までです。結果の表示時点には「2001年4月10日 09時18分24秒」とありました。対象期間と結果を表示した時点は、別の日時として記されています。
このページに新しい投票の受け付けはありません。ここで読む数字は当時の集計です。少数の回答から漫画を読む人全体の意見を推測するのではなく、このサイトを訪れた人が挙げた希望として扱います。
イベントと、外出の予定を探す
「即売会イベント情報の検索」は7票、28.0%でした。新刊の発売日を調べることに加え、即売会の予定も調べたいという希望です。読む本を探す機能と、作り手や制作物に出会う場所を探す機能が、利用者の中では近いところにあったと考えられます。
「映画上映情報の検索」は3票、12.0%でした。本の情報だけでなく、出かける予定に関わる情報も求められていたことがわかります。ポータルが掲げた総合サブカルチャーサイトという言葉には、異なる形式の文化を同じ入口で探したい、という期待も重なっていました。
イベントの告知を読むことと、条件を指定してイベントを検索することは、別の機能です。サークル活動PR掲示板に催しの案内があったとしても、このアンケートの検索機能が実現したことにはなりません。希望の項目と、実際のページの役割を区別して読む必要があります。
読む場所と、探せる時期を広げる
携帯(i-mode)などで見られることを求めた項目は2票、8.0%でした。机の前のパソコンだけでなく、別の場所でも情報を見たいという希望です。NET-COMICには携帯向けの総合メニューもありましたが、アンケートの結果だけから、そのページがどのような経緯で作られたかまでは判断できません。
「過去の発刊コミックスの検索」も2票、8.0%でした。新刊という言葉はこれから出る本を思い浮かべさせますが、読み手には前に出た本を確かめたい場面もあります。検索できる期間を明記していた新刊コミック検索と並べると、対象期間の広さが利用者の関心だったことがわかります。
「新着同人誌の情報」は2票、8.0%でした。商業の新刊だけでなく、自主的に制作された本についても知りたいという希望です。ここでは個別の本の名前や頒布の案内は載せず、情報の種類を増やしたいという要求として紹介しています。
検索する以外の使い方
漫画の連載を希望する項目は3票、12.0%でした。ほかの場所へ案内するだけでなく、NET-COMICの中で読むものを求める声です。検索する入口と、作品を読む場所は違う役割ですが、利用者にとっては同じサイトに期待する機能になっていました。
本日発売の週刊誌をトップページに表示する項目は1票、4.0%でした。名前や日付を入れて調べるより先に、今日の情報が見えていることを求める案です。週刊誌の誌名はここでは挙げません。検索欄を使う前の画面に何を置くかという、表示の工夫として読むことができます。
ほかにも、映像作品やグッズの発売日、テレビ番組の検索、その日に放送されるアニメ番組の表示など、日付に関係する項目が並んでいました。これらは実施済みのサービスの一覧ではありません。アンケートに並んだ希望の広がりを示すものです。
希望の一覧から見えるポータルの役割
挙げられた項目には、情報を増やす案、過去へさかのぼる案、別の画面で読む案、サイトの中で作品を読む案がありました。どれも追加機能という言葉でまとめられますが、必要になる仕事はそれぞれ違います。データの範囲と、表示する場所と、作る内容を分けて読むと、希望の輪郭がはっきりします。
アンケートは、こうした希望を管理人へ伝える仕組みでした。投票数の順位だけでなく、どのような使い方が言葉になっていたかに注目すると、NET-COMICが利用者とともに形を考えていたポータルだったことが見えてきます。
