描く画面と、読む画面

お絵かき掲示板は、ブラウザー上で絵を描き、それを掲示板の投稿として扱う仕組みでした。作画用の画面には道具が並び、投稿を見る画面には絵と返事が並びます。同じお絵かきゲストブックでも、描くときと読むときには必要な機能が異なっていました。

このページで紹介するのは、PaintBBSの道具と操作の説明です。作画画面は動作せず、絵の投稿も受け付けていません。道具の名前を追うことで、当時の描画環境がどのような表現や操作を用意していたかを読めます。

ペン先と、線の引き方を分ける

ツールバーには、通常のペン、水彩ペン、テキストのための項目があり、その下にトーンやぼかしなどが並んでいました。線を置く道具と、面の見え方を変える道具を、同じ細いツールバーから選ぶ構成です。

描画方法には、手書き、直線、ベジエ曲線がありました。説明では、この指定はペン先ではないと念を押しています。線の見た目を決める道具と、線をどのように画面に置くかという方法は、別の選択だったのです。手書きで動きをそのまま置く場合と、形を指定して曲線を作る場合を区別していました。

図形の項目には、円や長方形がありました。特殊な操作として、コピーや反転も挙げられています。描いた部分をそのまま使うだけでなく、位置や向きを変える操作があったことも、道具の並びからわかります。

色を選び、描ける場所を決める

カラーパレットのほかに、RGBのバーとalphaのバーがありました。RGBは色の調整に使われ、alphaは透過度の指定として説明されていました。トーンに使うと密度が変わるという注意もあり、同じバーでも選んでいる道具に応じて見え方が変わりました。

マスクモードには通常、マスク、逆マスクがありました。指定した色を手掛かりに描く場所を制御する仕組みです。加算マスクについては、描画色より薄い部分にだけ描けるもので、逆加算マスクはその逆と説明していました。色を単に選ぶだけでなく、すでにある色を操作の条件にも使っていたことになります。

マスクの色やパレットの色は、右クリック、Ctrlとクリック、またはAltとクリックで変更できると案内していました。同じ操作をキャンバス上で行うと、そこにある色を拾うスポイトになります。パレットとキャンバスで同じ操作の役割が変わるため、どこを押すかが重要でした。

小さなツールバーに複数の働き

ツールバーのボタンは、繰り返し押すと機能が入れ替わる仕組みでした。ボタンの数だけが機能の数というわけではありません。限られた表示の中に道具を収めるため、同じ場所を操作しながら切り替える方式が使われていたと読めます。

値を変える道具は、Shiftを押しながら操作すると細かく変更できました。パレットをShiftとクリックで操作すると、元の色へ戻るという案内もあります。キーボードを補助に使うことで、同じ画面の中で大まかな変更と細かな調整を使い分けていました。

線幅を変える道具と、画面全体を消す道具もありました。説明ではツールバー上の位置に沿って案内しており、使う人が上から順に眺めて役割を覚えられる書き方になっていました。

描く手を止めずに使うキー

拡大と縮小
+で拡大、-で縮小。表示を近づけたり離したりするための操作でした。
元に戻す・やり直す
Ctrl+Zで元に戻し、Ctrl+Alt+ZまたはCtrl+Yでやり直すと案内されていました。
画面内の移動
スペースキーを押しながらキャンバスをドラッグすると、スクロールを自由に移動できる仕組みでした。
線幅の変更
Ctrl+Altを押しながらドラッグして線の幅を変える操作がありました。

これらは当時のPaintBBSの説明に載っていた操作です。現在使用している別の描画ソフトで、同じキーが同じ働きをするとは限りません。名称や操作を時代の道具の記録として読むために掲載しています。

描き終わった後の案内

作画が終わった後は、投稿の成否によって画面の動きが違うと説明していました。成功した場合には別の表示へ進み、失敗した場合には失敗した旨だけを伝える構成です。作画と送信は別の段階であることが、使い方の末尾にも現れています。

お絵かきゲストブックの表示では、絵の新しさで並べる方法と、返信の新しさで並べる方法を紹介しています。道具を使って描く時間と、それを見た人の反応を読む時間が、同じ場所につながっていました。